人材派遣の仕組みを知る

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厚生労働大臣の許可

人材に関するビジネスには人材派遣会社や人材紹介などのサービスがありますが、その中でも人材派遣のサービスは必要な時に必要な人材を活用することのできるサービスとなっています。労働者派遣法が施行されて以来、何度かの法改正を経て、現在では企業側の労働力の需給調整をするためのシステムとして多くの企業が利用されています。
しかし職業安定法において労働者供給事業が原則禁止されているため、人材派遣サービスは労働者派遣法の趣旨に沿った運営が必要になります。こうした運営が求められている人材派遣サービスは厚生労働大臣の許可を得る決まりがあります。
2015年に改正される前の労働者派遣法では派遣事業は許可制と届出制による2種類に大きく分けられていました。しかし事業会社が許可を得ることなく許可制の派遣事業を違法に行うことが問題視されたことにより、優良な人材派遣会社の育成を重要視した許可制に一本化されるよう改正されました。許可制の一本化により行政の監視の目が十分に届くようになったことで派遣事業の健全化が進むことが期待されています。

派遣労働者と派遣会社と派遣先企業の関係

人材派遣のシステムとして、人材派遣会社が自社の常用社員かもしくは登録スタッフの中から、人材を求める派遣先企業のニーズに応じて人材を選出します。そして選出された中のスタッフに了承を得て派遣先企業に派遣することになります。派遣する人材は派遣先企業が選ぶわけではなく人材派遣会社に一任されているため、派遣先企業では採用試験などが行われず、派遣されたスタッフにそのまま業務を振ることになります。
こうしたマッチングが終了した後は派遣先企業と人材派遣会社の間には労働者派遣契約が結ばれることになります。そして人材派遣会社と派遣された労働者の間には雇用関係が結ばれることになり、派遣期間中は派遣された労働者は派遣先企業の指揮命令関係の下で動くことになります。そのため、派遣された労働者と人材派遣会社は雇用関係にありますが、実際には働く職場は派遣先の企業になります。このような少し複雑な関係が作られるのが人材派遣の大きな特徴となります。
賃金に関しては実際に働いている派遣先の企業から支払われるのではなく、雇用主の人材派遣会社から支払われます。派遣先企業が人材派遣会社に人材派遣サービスの料金を支払っているため、実際に働いている派遣先企業と派遣労働者の間に雇用主の人材派遣会社が入っていることになります。